去年の 12月あたりに公開された、ビートルズのルーフトップ・コンサートあたりのドキュメンタリー映画。 Disney+ の独占配信で、これのために入った。腰が重くて見ずにいたけど、この 10月あたりにようやく見た。仲良くやってた。マジで良くて、何回も見直している……。
ディズニー公式のトレイラーがあるけど、個人的には不必要に映画感を出していておかしいのでおすすめしないし、ここにも貼りません。一部分を切り取った公式動画を貼るので、こっちを見て雰囲気を感じてほしい。
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話としては、色々あってライブをやらなくなったけど、久々に観客ありテレビショーやったら面白かったし改めてやろうぜとなって、テレビショー & その準備のドキュメンタリー映画を撮ることになり、しかし映画もテレビショーもあんまりな……という意見が出たりして、曲を練習・録音しながら議論しまくり、最終的にはよく使ったスタジオの屋上でライブすっか、でライブするという流れ。なので曲を演奏しまくったりここからどうするか話しまくったりする様子が順番に見られる。各々大人になり各自の意見があるのでそれなりに紛糾していて大変だけど、演奏してるときは楽しそうにしているし、最後にはアルバムができてるので信じて最後まで見てください。
『ザ・ビートルズ:Get Back』が映し出す温かい雰囲気や強い仲間意識、そして天才的な創作風景は、アイコンたる4人のレガシーが確固たるものになる様をとらえている。1969年1月に撮影された60時間超の未発表映像(マイケル・リンゼイ=ホッグ撮影)や、150時間を超える未発表音源、この貴重なプライベート映像に50年もの時を経て初めてアクセスを許されたピーター・ジャクソン監督が美しく復元・編集し、映画を構成。これはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの物語。当時、彼らは2年ぶりのライブを計画し、曲を書き、14曲の新曲をリハーサルしていた。元はライブ・アルバムとしてリリースする予定だったからだ。映画にはバンド最後のパフォーマンスとなった、ロンドンのサヴィル・ロウで行われた忘れ難きルーフトップ・コンサート<初の完全版>も含まれる。加えて、バンド最後の2枚のアルバム『Abbey Road』と『Let It Be』で発表された楽曲の数々も本作を彩る。
https://www.disneyplus.com/series/the-beatles-get-back/7DcWEeWVqrkE
それまで全員で集まらずにスタジオ録音で重ね撮りとかしてたけど、今回は集まって編集なしで曲を撮ろうみたいな取り組みをしていて、 1ヶ月間スタジオに通い詰めている。最後の屋上でのライブの音源も含めた全部の録音の中から、 Abbey Road と Let It Be というアルバムに曲が収録されていて、つまり事前にアルバムを聞いている人は映像を見ながらこの音源じゃん!!! となるわけで、良い。
あと、こういう曲つくったよとか、これやりたいとか、そういうのを普通に話してるのが見られるのは最高で、活動こういう感じだったのだな〜と思って、そういう素朴さにテンションが上がる。
↑のところは Something つくってるところで、歌詞決まんないんだけどどういうのがいいかね、思い浮かんだのでいいでしょ、みたいな会話をしながら、みんなで演奏しつつ考えている。これいいところで終わっちゃうけど、この後 Love Me Do の激ゆっくりバージョンを弾き始めてアツい。
他では例えばリンゴが Octopus' Garden つくってきたときの映像がかわいい (チャプター3の最初)。「タコの曲聞かせたっけ」「まだ」って会話から弾き始めて、「Aマイナー覚えたね」って言うジョージ(ハリスン)と、イントロとAメロまでしかない曲の続きをこういう感じとかって話しながらつくっていっている。その後人がだんだん来てすっと参加していく感じとか、これに限らず急に色んな曲を始めるときもすぐ合わせて楽器を弾いていたりして、めちゃくちゃ楽しそう。
個人的にはチャプター3が一番楽しそうなので好き。ピアノ弾く役として呼んだビリー・プレストンがすごく楽しそうなのも最高で、(みんなそうだけど)音楽好きなんだな〜〜みたいになる。チャプター3の Can You Dig It? やばくて、ポールの娘がオノ・ヨーコの真似してア〜って歌うのも入ってるしジョンが Twist and Shout の歌詞歌い出してすぐコーラスもあわせて入れる(多分ジョージ)し弾き続けまくって、それが(一部だけど)アルバムにも入っていてすごい。この一連の演奏全部アルバムに入れてくれたらいいのに……。そのすぐ後にも(かつて聞きまくったり一緒に演奏したりしたのであろう、当時からすると十数年前の)1950年代の曲を急に(冗談で)始めて全員すぐ参加みたいな、そういうことが起きまくっていて、この波長の合った人々はすごいな……となる映像ばっかりでやばい。
屋上で急に演奏を始めたときのインタビューを聞いていると賛否両論あったみたいだけど、終わったあとの会話ではめちゃくちゃ楽しかったって感じになってて、マジで良い。実際屋上で演奏してるの超楽しそうでかわいくて、この演奏だけの (インタビューとかなしの) 映像を通しで見たすぎる。 Don't Let Me Down で歌詞がわけわかんなくなる(実際ミスってごり押してる)ジョンとそれ聞いて笑っちゃうみんなみたいな。その後の活動がどうかはそんなに詳しくないし誰と誰が仲が悪いとか色々言われているけど、しっかり仲が良い瞬間があるのは見てわかるし、それで十分だな〜と思った。楽しく撮った映像が残っていることと、アルバムになっていることに感謝しながら、 Get Back を何回も見/聞きまくっている。
追記: 見逃してたけど、このルーフトップ・コンサートの録音が各種音楽ストリーミングで配信されている The Beatles - Get Back (Rooftop Performance)。 YouTube Music でめちゃくちゃ聞いていて最高の状態。
ちなみにビートルズのアルバムは何回かリマスターされていて、最近の技術でまたリマスターされたやつが出ている。後期の作で録音方法的に音の再処理がしやすい Let It Be や Abbey Road から始まって、この間 Revolver もリマスターされた。有名な「ビートルズの曲は音のパンが左右に楽器ごと分かれている」みたいな話があるけど、最近のリマスターでそれを現代的に分け直しているので、聞いてみてほしいです。個人的には楽器ごと分かれているのも普通に聞いていて楽しいけど……。あとリマスター版では書き下ろし的な感じで色んなボツテイクも一緒に収録されているので、 Get Back 見たあとに聞くとああこれはあの映像ねとなれて楽しい。
Album - Let It Be (Super Deluxe) のプレイリスト
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Album - Revolver (Deluxe) のプレイリスト
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