今日の急にわかったは数学的帰納法です。
習うときに聞く言葉は、
- n=1 のとき成り立つことを示す
- n=k のとき成り立つと仮定して、 n=k+1 のとき成り立つことを示す
という 2文で、例を見ながら解けたし、 覚えられたから、特に困らなかった。ただ、なんでこれで示せるのかは腑に落ちないままで、さっきわかった。
まず、数学的帰納法でやりたいことは、「自然数 n を含む命題 P(n) が成り立つ」を証明すること。ただ、「n が 2 でも 3 でもできたし n が 100 でもできるよ」とは言えなくて、無限個の自然数すべてについて成り立つのをいちいち示すのも有限時間ではできない。
そこで、「ある自然数 k と、その次の数 k+1」を考える。「n が k のとき成り立つならば、 n が k+1 のときも成り立つ」ことが示せれば、 k がどれだけ大きくなろうと、 n=k で成り立つとき必ず n=k+1 でも成り立つ。つまり数の大きさに関わらない、相対的な条件。ただこの条件のすごいところは、成り立つ n=k をひとつ見つければ、 n=k+1 では成り立つし、 k+1 を k と見ればその次も成り立つので、その後ずっと成り立つことが示せる点。ちなみにこの条件は、 n が k のときに成り立たない場合には、 n が k+1 のとき成り立つかどうかは知ることはできない。
それに加えて、絶対的な条件である「n が 1 のとき成り立つ」を示す。すると、 1 が成り立って、その後ずっと成り立つので、自然数すべてで成り立つ、と言えるようになる。
教科書から進んだ理解をすると、 n=1 では成り立たないけど、 n=2 で成り立つ、というとき、 k と k+1 の条件が示せたら、 1 はダメだけど、 2 以降の自然数すべてでは成り立つことが示せる。もっと言うと、 k と k+1 ではなく、 k と k+0.1 とかもできて、 1 から 0.1 刻みに大きくしていくときの実数すべてで成り立つ、とかも示せる。 k と k-1 の条件が示せたら、整数すべてで成り立つことも示せる。この条件は何でもよくて、 k と 2k + 1 とかでもよい。 2倍して 1足して、とやっていく数すべてについて成り立つことが示せる。
数学的帰納法ってめっちゃ便利だったんですね、 k と k+1 の条件が上手いこと示せる場合に限るけど……。