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日記から何から

医者、時計屋、蕎麦屋、床屋、渡月橋、電電宮

 この記事は長めの日記を 川見てる Advent Calendar 2020 - Adventar の 2日目に登録したものです。


 このあいだ有給を取って、様々な雑用を一気にこなし、ついでにお参りもした。引っ越してからかかりつけの医者や床屋などが無い状態になってしまったのでかなり腰が重かったのを、お休みパワーで押し切った。

 まず花粉症を治すための舌下免疫療法を続けるために、アレルギー科の医者に行き、引っ越しなどを説明して薬をもらった。京都の花粉の量は東京より少ないらしく、なるほど、とか言って帰ってきた。

 薬を家に置いて、電池のなくなった腕時計を持ってまた外出。成人祝で親に買ってもらった Knot という時計屋の時計で、長らく元気に動いていたものの、数日前に電池がなくなって止まってしまっていた。京都にも店舗があり、さっと交換の申し込みをすることができた。これを書いている日にはもう交換が済んで、また元気に動いている。

 その足でお昼ごはんを食べに蕎麦屋に行って、しっぼく蕎麦を食べた。肌寒いと思っていたものの、つゆまで飲み干したらすっかり温まって、店を出てしばらくは上着を手に持っていた。

 さらにその足で今度は床屋に入り、緊張しながらすっかりきれいにしてもらう。特に床屋は会話が苦手な人間としてはかなりハードルがあって、新しい店に行くのが非常に難しいのだけど、京都でも床屋に入れる自信がちょっとついた。


 身の回りの細々とした事柄が済んだので、すっきりした気持ちで電車に乗り、電電宮に向かった。路面電車で嵐山の駅にたどり着き、降りて歩くとそこは渡月橋、そして見慣れた三条通りが意外と登場。

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家の近くの三条通りはこんなに西にも続いている

 人はそれなり、歩きづらいことはないけど賑わってはいる、というくらいで、苦なく通行できた。

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渡月橋 / 石垣が曲線で橋詰まで上がってくる

 川は渡月橋の上流側で二手に分かれているので、渡月橋を渡ってから、さらに渡月小橋という小さな橋もある。こちらは下を船が通る。

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下には船が通り、上には親柱に「大堰川」の文字

 橋詰に階段があり、船から上がることができるようになっていた。川でよく見る水位を測る定規がここについていて、結構高い位置まで色がついているので少し緊張感がある。ちなみにこの川は桂川というのだけど、この親柱には大堰川と書かれている。 Wikipedia で見てみると通例の呼び名として大堰川含めいくつかあり、法令上は桂川とのことだった。

通例として、京都市右京区京北地区の流域にかけては「上桂川(かみかつらがわ)」、南丹市園部地区に入ると「桂川」、南丹市八木地区から亀岡市にかけては「大堰川(おおいがわ)」、亀岡市保津町請田から京都市嵐山までは「保津川(ほづがわ)」[1]などと名を変え、嵐山から合流地点は再び「桂川」と称される。

桂川 (淀川水系) - Wikipedia

 確かに文化庁国土交通省など公的な資料でも大堰川保津川という記述がちょこちょこある。堰くという動詞もありそうでおもしろい、そういえば「せきとめる」という言葉がある……。

 この川の堰をもっとちゃんと見たかったものの、ひとまず日が暮れる前に先に電電宮がある法輪寺にお参りすることにした。階段のふもとの右手には、エジソンヘルムホルツをたたえる塔が立っている。脇の斜面を眺めつつ上り、法輪寺電電宮それぞれにお参りしつつ、電電宮のステッカーを買って下りた (今は PC に貼ってある)。

www.kokuzohourinji.com

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法輪寺の階段

 帰りしな、川をよく見るために右往左往した。まず渡月小橋につけてある屋根船のある景色が綺麗だった。

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屋根船のある景色 / "かつらがわ"の看板が立っている

 中洲みたいになっているところには、一ノ井堰の紹介と洛西用水の地図がある。地図を見ると、他にも久我井堰とかもあり他にも堰はあるのだろうなとか、水路とか分水とか見てみたいものが色々ある。ただすでに暗くなりつつあったので、一ノ井堰だけ見て帰ることに決めて、地図にある一ノ井堰の部位を細かくみることにした。

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京野菜を育む堰
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一ノ井堰

 一ノ井堰には洪水吐 / 舟通し / 魚道などがあるとのことで実物を見ると、各部位のつくりが地図よりもずっと迫力を持っている。あんまり詳しくないけど、開いたり閉まったりしそうな機構が見えるのが洪水吐だろうと思うのだけど、常に開いていた。魚道は左右にS字になるタイプではなく、上下に波打つ感じ。

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魚道 / 洪水吐
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舟通し / 洪水吐 / 余水吐

 舟通しは比較的緩やかな坂になっているけど、実際にここを舟で通ると結構怖い感じで素早く降りるのではというくらいには角度がある気がする。手前には余水吐というのもあって、川に下りずに横を走っていって橋の下をくぐっている。ちなみにその隣に機械っぽい何かもあるけどこれがなんなのかはさっぱりわからなかった。

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余水吐は橋の下をくぐる
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屋根船のひき波

 最後に船が川を上っていく様子でお別れです。