hogashi.*

日記から何から

趣味2

 樋が好きで、見るのを趣味としています。好きな理由はあまりわかりません。

樋とは

 樋 (とい / ひ) とは、主に水を導く機構で、たいてい、管 あるいは その下半分(いわゆるハーフパイプ)のような形をしています。

 現代の日常では、屋根から落ちる雨水を受け止めて流す雨樋が、最も身近な樋だと思います。明確に意識をしたことはないかもしれませんが、見たことはあるのではないでしょうか。屋根からポタポタ滴って壁が汚れたり腐食したりするのを防ぐ役割があります。 Panasonic の「雨といなるほど大百科」に、各部の名称まで載った詳しい画像があります。

https://sumai.panasonic.jp/amatoi/naruhodo/img/kiso02_img01.jpg

https://sumai.panasonic.jp/amatoi/naruhodo/kiso2.html

 他には、河川の施設として樋門(ひもん)などがあるようです。国土交通省 東北地方整備局 山形河川国道事務所 の「最上川電子大辞典」に少し記述があります。

http://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/river/enc/words/jpg/kouzou-04.jpg

http://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/river/enc/words/06ha/ha-004.html

見どころ

 先述した通り、雨樋は、屋根に沿って水平につける半分の管、それを下まで導く管という単純な構造です。

 多くの場合、雨水は雨水管*1に流すために、地上まで導きます。屋根の高さや水平方向の長さはまちまちなので、継ぐことで長さを調節できるようになっています (最も簡単な例は、塩ビパイプです)。その継ぎ手を見ると、なんだか嬉しくなったりします。
 また、確実に雨水管に導くというよりは、とにかく地面に下ろせばよかろう、という大雑把な雨樋も珍しくありません。雨水をどのように導き終えるのか、を見ると、多様性があって面白いです。

見てみる

江戸城 田安門

 例えば、皇居に散歩に行くと、旧江戸城の門などに雨樋をつけてあることがあり、写真の田安門は、縦樋がたくさん継いであります。おそらく当時には無かったものの、現代の管理上つけたのではと思います。
 また地上ではそのまま流すのではなく、いったん木で受けています。できるだけ音を消しているのかもしれません。

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江戸城 田安門の雨樋

東本願寺

 京都にも面白い例がたくさんあります。東本願寺には、地上に水をためるタイプの雨樋がついています。

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東本願寺
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東本願寺の雨樋
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水がたまっている様子

京都御所

 なんと京都御所にも雨樋はあります。景観に配慮してなのか理由は定かではないですが、地面に溝が掘ってあり、そこに水を導いています。溝に固定するために、少し浮かせて、横から固定するような高度な技術(?)が使われています。夏は管が伸びてしまうなどの問題に対応するためかもしれません。かっこいいですね。

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京都御所の雨樋

八坂神社

 八坂神社の雨樋は豪快で、鎖樋*2が、はるか頭上で途切れており、結構ポタポタしています。一点集中できているので良いのかもしれませんが、ちょっとだけ心配になるような気もします。

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八坂神社の雨樋

電車

 新しい車両ほど分かりづらい気がするのですが、電車にも樋はあります。ドアから乗り込む際に、雨の日でもポタポタ滴っていないのは、雨樋があるおかげです。*3移動しているのに、水をどこに導くのかというと、車両と車両の間で単に地上に落としてしまうようです。
 ちなみに、軽井沢駅に保存されている昔の車両(?詳しくないです)にも、ちゃんとついていることがわかります。

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東急目黒線の雨樋 / EF632(詳しくないです)の雨樋

新幹線

 実は新幹線にも雨樋があります。ただし、空気力学(?)を考慮してなのか、下へ導く構造は無く、単にドアの真上から左右に雨水を避ける傘のような役割をしています。

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むすび

 樋についての文献などを探そうとすると、インターネットではなかなか見つかりません*4。どこか建築系の大学などに行ってみると本や論文があるかもしれないので、図書館を利用できるところとかあるかな~とぼんやり手を考えています。読んでいただけた中で、面白いな、と思うものを増やすことができたなら幸いです。

あわせて読みたい

 以下はすでに上で登場したものです。

*1:雨水管についてはこちらに詳しいです: 下水道の役割 - 雨水を処理する下水道:日本下水道協会キッズページ『スイスイランド』

*2:下へ導く部分が鎖状に飾られている樋

*3:車両の屋根には水の出る機構(エアコン?)があることがあり、この水もそのままドアや窓に降りてこないようになっています。

*4:探すのが下手なのか、気にする人が少なすぎるのか、深く考えるほどのものではないのか、定かではないですが……